金属なのに木管? 吹奏楽器の“正しい分類”を学ぼう!

智頭先輩

柚葉、フルートって金属でできてるのに“木管楽器”って知ってた?

柚葉

当たり前じゃないですか。フルートは木管楽器ですけど。

智頭先輩

じゃあさ、なんで“木管”なのか、ちゃんと知ってる?

柚葉

え?昔は木でできてたからでしょ?常識ですけど?

智頭先輩

ちがうんだな〜〜〜(ドヤ顔)

柚葉

……なんかむかつく。
てか先輩、たまに楽器よりめんどくさい時ありますよね。


目次

💡なぜフルートは金属製でも木管楽器なの?

フルートはどう見ても金属製。でも分類は「木管楽器」。

この理由は、「見た目」ではなく「仕組み」で分類されるからです。

分類のカギは、以下の2点です!

フルートは金属製だけど木管楽器

🎵① 振動体(音を出すしくみ)は何か?

音の正体は“振動”──木管と金管、その違いとは?
私たちが耳にする音は、すべて「振動」によって生まれています。
吹奏楽器も例外ではなく、「何を振動させて音を出すのか」によって、
大きく木管楽器金管楽器に分類されます。


🎼 木管楽器とは?

木管楽器は、「空気の振動」で音を出す楽器です。
プレイヤーは息を使って、空気やリード(薄く削った木片)を振動させます。

分類のポイントは、楽器そのものではなく「何が振動しているか」です。

🎵 木管楽器の主な2パターン:
エアリード式(空気そのものを振動させる)

  • 例:フルート、ピッコロ
  • 息を吹き込むことで、エッジ(吹き口)に空気がぶつかり、管内の空気が振動します。
  • 「ピィ〜」という音は、直接、息で空気を揺らして出している音なんです。

リード式(木の薄い板を振動させる)

  • 例:クラリネット、サックス、オーボエ、ファゴット
  • リードと呼ばれる薄い板がマウスピースにつけられており、息を吹くとリードが震えて音が出ます。
  • この「リードの震え」が空気の波となり、楽器全体に音が響く仕組みです。

🎺 金管楽器とは?

金管楽器は、「自分の唇を振動させて」音を出す楽器です。
金属でできたマウスピースに唇を当て、唇をブーッと震わせることで、音のもとになる振動を作ります。

この唇の振動が、管の中を伝わって共鳴し、楽器全体に響き渡ります。

トランペットは金管楽器

🎵 金管楽器の特徴:

  • 唇自体が「振動体」になっている点が最大のポイント。
  • 息だけでは音が出ず、唇の形・力加減・息のスピードが極めて重要
  • 口の動き次第で音色や音程が大きく変化します。

✅ つまり、こんな違いがあります:

分類振動体音を出す仕組み主な楽器
木管楽器息そのもの or リード息で空気を振動させるフルート、クラリネット、サックス、オーボエ、ファゴットなど
金管楽器唇(プレイヤー自身)唇の振動が管に伝わり共鳴するトランペット、ホルン、トロンボーン、チューバなど

🎼② 音程を変えるしくみはどうなっているか?

── 木管楽器と金管楽器の「音程の変え方」の違い

音の高さ(音程)は、基本的に管の長さで決まります。
長い管を使えば低い音、短い管を使えば高い音が鳴る――これはすべての管楽器に共通する原理です。

しかし、「どうやってその長さを変えているか」は、木管楽器と金管楽器でまったく違うのです。

🎵 木管楽器の音程操作:穴(トーンホール)を開け閉めする

木管楽器では、管の側面にある「穴(トーンホール)」を指やキーで開けたり閉じたりすることで、息が通る空気の“有効な長さ”を変えています。

🔍 しくみのイメージ:

  • 穴を閉じる → 息の通る距離が長くなり、低い音に
  • 穴を開ける → 息の通る距離が短くなり、高い音に

この仕組みにより、木管楽器は「たくさんの穴(とキー)」が並んだ複雑な構造を持っています。

🎺 金管楽器の音程操作:管そのものを“物理的に”長くする

一方、金管楽器では、ピストン(バルブ)やスライドの操作で、管自体の長さを変化させて音程を調整します。これは、物理的に管を長くしたり、別の管につなぎ替えているようなイメージです。

🔍 しくみのイメージ:

  • ピストンを押す or スライドを伸ばす → 管が長くなり、低い音に
  • ピストンを戻す or スライドを縮める → 管が短くなり、高い音に

つまり、金管楽器は「1本の管を伸び縮みさせながら音程をコントロールする仕組み」です。

これはフリューゲルホルンです。

🎓まとめ

✅ 「木管」や「金管」という分類は、素材ではなく

  • どうやって音を出しているか(=振動体)
  • どうやって音程を変えているか(=音程制御の仕組み)

で決まっているんです。

🔍 だからこうなる!

  • フルートは金属製だけど、息の流れで空気を振動させ、トーンホールで音程を変える → → → 木管楽器
  • サックスも金属製だけど、リードを振動させ、トーンホールで音程を変える → → → 木管楽器
  • トランペットは同じ金属製でも、唇の振動を使い、ピストンで管の長さを変える → → → 金管楽器

⚠️ よくある誤解に注意!

「昔は木でできてたから木管なんでしょ?」
というのは半分正解、でも本質的には誤りです。

なぜなら――

サックスは最初から金属製ですが、音の仕組みが木管なので「木管楽器」と分類されています。
素材は後から進化することもありますが、音の出し方や構造はその楽器の本質。分類はそちらを優先するんです。

💬 見た目にだまされないで!

ピカピカでも木管。
ごつくても木管。
木でできていても、唇で音を出せば金管。

分類は“中身”で決まるんです。
楽器も人も、見た目じゃなくて中身で判断するのが大事ですね。

柚葉

つまりフルートは「中身が木管」ってことか…見た目だけで決めつけちゃいけないんですね。人間と一緒で。

智頭先輩

だろ?…ちなみに僕も、見た目より中身派です(ドヤ)

柚葉

……急に自分語りすな。

\管楽器のこと、ぜんぶここに /

URL:https://suilabo.kanngakki.jp/

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