作編曲家・近藤悠介さん|吹奏楽に人生をかけるということ|【前編】スイラボスペシャルインタビュー Vol.1

◆ はじめに

こんにちは、スイラボ編集部です!
この連載では「吹奏楽に関わるプロフェッショナルに話を聞く」をテーマに、作曲家・演奏家・指導者など、現場の“リアル”に迫っていきます。

記念すべき第1回は——
作編曲家・指揮者として全国で活動する 近藤悠介さん にご登場いただきました!

🎼 近藤 悠介さんプロフィール|作編曲家・指揮者

近藤悠介さんは、吹奏楽を中心に全国各地で作品を発表・指揮し続ける実力派作編曲家・指揮者です。2019年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ《エイプリル・リーフ》で広く知られる一方、教育現場に深く関わり、演奏者の内面に寄り添う音楽づくりを大切にされています。

2025年3月に開催された「21世紀の吹奏楽 第26回“響宴”」では、〈組曲「異なる3つの小品」〉が入選。13名編成でも演奏可能なバランス重視の構成と、そのクラシック様式への挑戦が高く評価され、やまももシンフォニックバンド(指揮:甘粕宏和)によって演奏されました。

また、講習会や学校指導、合奏指導に熱意を注ぎ、演奏技術だけでなく「表現する喜び」や音楽との向き合い方を伝える教育活動にも積極的です。これからも、作編曲家としての創作・発表と、指揮者・教育者としての多方面にわたる活動で、次世代育成と日本の吹奏楽文化の発展に貢献しておられます。

◆ インタビュアーはこんな人

本記事の聞き手を務めさせていただきます、スイラボライターの川邊と申します。
現在は大学で法律を学びながら、音楽と触れ合える場に身を置きたいという思いでこのお仕事に関わらせていただいています。

中学時代は吹奏楽部でサックス、高校時代は軽音部でギターやドラムを演奏。
「聴くことも演奏することも大好き!」な私が、学生ならではの目線も交えながらお話を伺っていきます。

目次

Part 1|現在:作曲家としての今

― 近藤さん、今日はよろしくお願いいたします!まずは現在の活動について教えてください。

近藤さん:
こちらこそ、よろしくお願いします!
吹奏楽の作曲や編曲を中心に活動していて、演奏会やイベントに向けた曲を書いたり、指揮をしたりしています。

― ありがとうございます。最近の印象深いお仕事ってありますか?

近藤さん:
ああ、それで言うとですね、ご存じかもしれないんですが、「21世紀の吹奏楽“饗宴”」っていう演奏会があって、毎年3月に文京シビックホールで開催されるんですけど。そこに公募で作品を出したら、入選しまして。実際にホールで自分の曲を演奏してもらえたんですよ……それは印象に残っていますね。

川邊:
うわぁ、それは絶対テンション上がりますよね……!

近藤さん:
そうですね!とても嬉しくて、テンション上がりましたね!

― 作曲や指揮をされる中で、大事にしていることってあったりしますか?

近藤さん:
「印象に残る音楽をつくること」ですね。
演奏する人の記憶にも、聴く人の耳にも残るようにしたいです。特にメロディには跳躍を加えるなど、エネルギーを持たせる工夫をしています。同じ音が続くと平坦になりがちなので、あえて高い音にポンッと飛ばして“エネルギー”を感じられるようにしてるんです。

川邊:跳躍によってメロディの“エネルギー”を出すって、すごくおもしろい発想ですね!

近藤さん:
そう言ってもらえると、めちゃくちゃ嬉しいです。
やっぱり、「あの曲よかったよね」って話題にしてもらえることが一番のモチベーションかもしれないですね。

Part 2|原点:音楽との出会いと学生時代

― 音楽との出会いはどんなきっかけだったんですか?

近藤さん:
小3の頃に「太鼓の達人」をプレイして、そこから音楽に興味を持ちました。

川邊:
えー!太鼓の達人って、意外な入り口です(笑)。そこからピアノへつながるんですね。

近藤さん:
ゲームのオリジナル曲にジャズ調のものがあって、「ピアノの音ってこんなに面白いのか!」と思って小5でピアノを始めました。

― では、吹奏楽との出会いは中学から?

近藤さん:
そうなるんですかね。最初はテニス部だったんですけど(笑)
やっぱり音楽やりたいなぁって気持ちが強くなって、途中から吹奏楽部に転部しました。

川邊:
えー!テニス部だったんですね!!吹奏楽部ではなんの楽器だったんですか?

近藤さん:
トランペットです。トランペットのピアノでは出せない音色や表現の幅に惹かれました!

― では、高校ではそのまま吹奏楽部に?

近藤さん:
いや、高校では軽音楽部に入りました。
J-POPにハマって、キーボード、ギター、ベース、ドラムといろんな楽器をやってましたね。

川邊:
えー!クラシックもやって、ポップスもやって…音楽の幅がすごく広がってますね。

近藤さん:
クラシックに偏らず、ポップスにも親しめたのが今の活動にもつながっていると思います。

― なるほど。では、吹奏楽部・軽音部、両方経験されたなかで学んだや今の活動に繋がってことはありますか?

近藤さん:
吹奏楽部では、合奏を通して協調性を学びました。「一つの音を作り上げる」という経験は、今の活動にも役立っていると感じています。

川邊:
トランペットやサックスなど、音が大きい楽器って、自我を出しすぎると音楽としてまとまりがなくなりますよね。私もセクション練を通して、譲るべきところは譲るっていう感覚が芽生えた気がします。そういう協調性の部分でしょうか?

近藤さん:
はい、そのような感じです。もう十数年前のことなのであまりよく覚えていないんですけど、、「協調性」という言葉が一番出てきやすいです(笑)。

― なるほど…すごく面白いお話でした!本当にありがとうございます。
これで、前編は終了となります。

次回は、吹奏楽部でがんばってる中高生や、指導で悩んでいる先生方にも響くようなお話、もっと深く聞いていきたいと思います!後編も、どうぞよろしくお願いします!

近藤さん:
そう言ってもらえてうれしいです。よろしくお願いします!!

……それにしても
“今をときめく作編曲家の音楽の原点が、太鼓の達人”。
ちょっと意外で、ちょっと笑えて、でもなんだかすごく身近に感じませんか?

どんなプロにも、最初の一歩があって。
誰かの「なんとなく好き」が、未来の音楽をつくっていくのかもしれません。

🎉 注目のお知らせ!

こんなにも温かくて情熱的な音楽観を持つ近藤悠介さんの音楽を、
実際に生で体感できるチャンスがすぐそこにあります!

📅 2025年7月9日(水)14:00開演
🎵 MUSIC COLLECTION SERIES #16
✨《マリンバ×ピアノ×パーカッション サマータイムコンサート》✨
📍 会場:横浜市瀬谷区民文化センター あじさいプラザ 音楽多目的室

🔗 コンサート詳細ページ:MUSIC COLLECTION SERIES|瀬谷区民文化センター あじさいプラザ

🔜 次回のVol.2では…

🎺 吹奏楽部でがんばる中高生へのメッセージ
🎼 音楽の道を目指す人へのリアルなアドバイス
🎓 顧問の先生方へ届けたい言葉——
💬「ノー吹奏楽、ノーライフ」
その言葉に込められた近藤さんの本音に、もう少しだけ近づいていきます。

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