作編曲家・近藤悠介さん|“音楽が好き”は、きっと武器になる|【後編】スイラボスペシャルインタビュー Vol.2

🎷インタビュー・構成:川邊
はじめに
こんにちは、スイラボ編集部です!
本記事は、作編曲家・指揮者の近藤悠介さんにお話を伺った特集インタビューの【後編】です。
前編では、近藤さんの現在の活動や音楽との出会い、学生時代の経験についてお届けしました。
まだご覧になっていない方は、ぜひ下記の【Vol.1|吹奏楽に人生をかけるということ】からチェックしてみてくださいね!

🎼 近藤 悠介さんプロフィール|作編曲家・指揮者
近藤悠介さんは、吹奏楽を中心に全国各地で作品を発表・指揮し続ける実力派作編曲家・指揮者です。2019年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅱ《エイプリル・リーフ》で広く知られる一方、教育現場に深く関わり、演奏者の内面に寄り添う音楽づくりを大切にされています。
2025年3月に開催された「21世紀の吹奏楽 第26回“響宴”」では、〈組曲「異なる3つの小品」〉が入選。13名編成でも演奏可能なバランス重視の構成と、そのクラシック様式への挑戦が高く評価され、やまももシンフォニックバンド(指揮:甘粕宏和)によって演奏されました。
また、講習会や学校指導、合奏指導に熱意を注ぎ、演奏技術だけでなく「表現する喜び」や音楽との向き合い方を伝える教育活動にも積極的です。これからも、作編曲家としての創作・発表と、指揮者・教育者としての多方面にわたる活動で、次世代育成と日本の吹奏楽文化の発展に貢献しておられます。

Part 3|未来へ:中高生・指導者・迷っている人へ
― 前編に引き続き後編もよろしくお願いします!
近藤さん:
よろしくお願いします!!
― 今、吹奏楽部でがんばっている中高生に伝えたいことはありますか?
近藤さん:
んーやっぱり仲間と一緒に音楽を作るって、学生時代にしかできないすごく貴重な経験だと思うんです。
合奏って、全員の呼吸がそろったときに初めて完成するものだとおもうから、その時の「一体感」や「喜び」はぜひ味わってほしいなと思います。
川邊:
わかります…!文化祭とかコンクールに向けて練習していた日々って、今振り返ると宝物だなって思います。
― 音楽の道に進むかどうか中高生含め多くの人が悩んでいると思うんですが、何かアドバイスをいただけますか?
近藤さん:
そうですね…。「好きこそ物の上手なれ」って言葉は、大事だなって感じています。
“好き”って気持ちがあれば、自然と努力できるし、人との関わりや社会性など音楽以外の力も身についていくと思いますね。
音楽だけではなく、それ以外の力も身につけていけば道はひらけると思いますね…
といいつつ、自分は“ぬるっと”音楽の道に来たタイプなんですけど(笑)
川邊:
「好きだけではやっていけない」と言われることもある中で、好きって気持ちがやっぱり原点なんですね。
近藤さん:
もちろん“好き”だけでは立ち行かなくなる瞬間はありますよ…
でもその時に、「自分にはこれ(音楽)しかない」って思えるかどうか。
僕は音楽を取ったら自分に何も残らないって思ってるし、それぐらいの気持ちでやるから続けられる。
命懸けって言ったら大げさだけど、そのくらいの“覚悟”って大事だなって思ってます。
― では、逆に指導に悩んでいる顧問の先生方へ、メッセージやアドバイスをいただけますか?
近藤さん:
心が折れてしまう先生、実際にいますよね。部活を受けにきている子供達が目の前にいることを常に意識して、一生懸命取り組んでいる姿、できるようになった時に見せる「笑顔」をやりがいにしたり、指導のモチベーションにしたり、自分を励ましたりすることが重要だと思いますよ。
川邊:
私の顧問の先生も生徒ができるようになる姿を見るのがやりがいと言っていましたね。
近藤さん:
ほんとですか!やっぱりそうですよね。
これは吹奏楽部だけに関わらず、部活動の顧問の先生全体に言えることだと思いますけどね。
― 技術的な部分についてはどうでしょう?
近藤さん:
そうですねー、お仕事が忙しいと思いますから技術的な部分は、無理せずプロの演奏家や指導者にお願いするのもいいかなと思います。
先生自身は、講習会に参加したり、得意な先生に相談したりして、少しずつ勉強していく形で。
全部を一人で抱え込まず、演奏面は外部の方にお願いして、顧問の先生は全体をまとめる役割に専念する——
そんな風に、無理なくやっていくのが一番かなと思います。
生徒も「上手くなりたい」という思いで練習しているので、プロの方の意見を聞くことは刺激になると思いますよ。

Part 4|これからの展望、そして“吹奏楽”という存在
― 近藤さんにとって、吹奏楽とは?
近藤さん:
6年前に吹奏楽コンクールの課題曲を書いたときに思ったんです。「ああ、自分にとって吹奏楽は人生の一部なんだな」って。
「ノー吹奏楽、ノーライフ」ですね。
川邊:
その言葉、すごくいいですね!お仕事になっても“好き”がブレてないのが伝わってきます。
仕事を「やらなきゃいけないこと」と向き合っている人が多いと思うんですが、近藤さんの吹奏楽への向き合い方は違うような気がしているのですが、その点はいかがでしょうか?
近藤さん:
少し違うかもしれないですね。
“やらなきゃ”っていう義務感で音楽をやると、だんだんしんどくなっちゃうんですよね。
それならやらないほうがいい、くらいに思ってます。好きだからこそ、信頼も得られるし、自分自身も幸せでいられる。
音楽って、そういう存在であってほしいと思ってます。
― では、最後に今後、やってみたいことはありますか?
近藤さん:
最近は高専で講義をしたり、イベントにも出演させてもらったりしてるんですが、もっと自分の音楽をいろんな場所で、もっと最高なものを作り、届けていきたいです。
将来的には、「横浜の吹奏楽作曲家といえば近藤!」って名前が上がるような存在になれたら嬉しいですね。
川邊:
なるほど……これからの活動にも目が離せませんね!!
近藤さん:
ありがとうございます!
川邊:
ということで!本編はこれにて一旦終了です。
すごく心に残るお話でした。たくさんのヒントをいただけた気がします。今日は本当にありがとうございました!
次回のVol.3(番外編)では、ちょっと意外な“素顔”にぐっと迫っていきたいと思います。よろしくお願いします!
近藤さん:
こちらこそ、楽しくお話しさせてもらって、ありがとうございました!
番外編もよろしくお願いします!

……“好き”だけじゃやっていけない。
けれど、“好き”がなければ続けてはいけない。
近藤さんの言葉には、音楽と真剣に向き合い続けてきた人だからこそ見えるリアルと、
それでも「やっぱり音楽が好きなんだ」と笑う強さがありました。
これからどんな作品を届けてくれるのか——近藤悠介さんの今後に、ぜひご注目ください!
🎉 注目のお知らせ!
こんなにも温かくて情熱的な音楽観を持つ近藤悠介さんの音楽を、
実際に生で体感できるチャンスがすぐそこにあります!
📅 2025年7月9日(水)14:00開演
🎵 MUSIC COLLECTION SERIES #16
✨《マリンバ×ピアノ×パーカッション サマータイムコンサート》✨
📍 会場:横浜市瀬谷区民文化センター あじさいプラザ 音楽多目的室
🔗 コンサート詳細ページ:MUSIC COLLECTION SERIES|瀬谷区民文化センター あじさいプラザ
次回予告!
次回のVol.3(番外編)では——
🎵 心配性な一面
📱 SNSでのリラックス法
などなど、ちょっと意外な近藤さんの素顔にぐっと迫ります!
どうぞお楽しみに!
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